愛媛の伊予鉄 松山市中心部で自動運転路線バス運行開始

伊予鉄グループ(松山市)は、松山市中心部で自動運転路線バスの運行を開始する。10月27日に発表した。自動運転レベル「0」から「5」までの6段階のうち、「完全自動運転」の一歩手前の、特定条件下で完全自動運転が可能な「レベル4」に相当する。運転席に乗務員を配置しない路線バスの運行は全国初で、自動運転バスが踏切を通過するのも世界初となる。

同社は2024年から松山市郊外で全国初となるレベル4の営業運行を始めており、2026年からは市街地での新たな試みとなる。1月開始として伊予鉄道松山市駅発着で県立中央病院や朝生田町、大街道などを回る「松山環状線」(旧東南ループ線、7.4キロ、バス停数17)、2月開始として観光地の松山城と道後温泉をつなぐ新設路線の「道後・松山城線」(2.0キロ、バス停数2)を予定している。

ソフトバンク系のBOLDLY(港区)がシステムを担当し、中国の自動運転技術スタートアップ、文遠知行(ウィーライド)の小型バスを用いる。運転席はあるが、原則的に空席で運行。営業所で遠隔監視をするとともに、保安員が後部座席に同乗して、ドアの開閉作業などを行う。

路線バスの運転士不足は深刻化し、全国で路線廃止・減便が相次ぐ中、自動運転技術への期待が高まっている。