メルカリ、「ChatGPT」上で商品検索と出品準備が可能な公式アプリ提供開始

株式会社メルカリは2026年6月23日、OpenAIが提供する「Apps in ChatGPT」においてフリマアプリ「メルカリ」の公式アプリの提供を開始した。「ChatGPT」上で会話するだけで「メルカリ」の商品を検索したり、出品説明文の下書きを自動生成したりする機能が利用できる。

この取り組みの背景には、フリマアプリならではの課題がある。「メルカリ」に出品される商品の約8割は、型番やJANコードなどの既存カタログと紐付けできない一点ものだ。欲しいものがあっても適切なキーワードが思いつかなかったり、絞り込み条件をうまく設定できなかったりと、検索に迷うユーザーは少なくない。出品においても、商品ごとに状態が異なるために「説明文に何を書けばいいかわからない」という声があった。

一方で、AIチャットサービスの日常的な利用は急速に広がっており、キーワード検索に代わってAIと対話しながら情報を探す行動が定着しつつある。「予算5,000円でキャンプ用品を探して」のように、購入対象が明確に定まっていない段階の相談でも、AIが文脈を汲み取って提案できる点は、一点ものが並ぶ「メルカリ」の商品特性と親和性が高い。

こうした変化を受けてメルカリが開発した今回のアプリは、2026年1月に公開した「Mercari MCP(Model Context Protocol)」を技術基盤として活用している。これはAIから「メルカリ」の各種機能を呼び出すための接続基盤で、今後さまざまなAIサービスとの連携を見据えた汎用的な仕組みとして位置付けられている。

利用できる機能は二つある。一つ目の「商品検索」では、「サッカーが好きな幼稚園児の男の子への誕生日プレゼントを見つけて」といった漠然とした相談からも、約2,300万人の月間ユーザーが出品した商品の中からAIが候補を提案する。日本語のほか、多言語での検索にも対応している。二つ目の「出品下書き作成」では、商品情報を伝えるだけでタイトル・カテゴリー・商品説明文などを自動生成し、複数商品の下書きを一括作成することも可能だ。「メルカリ」内の類似商品の価格を参照しながらAIが出品価格の目安も提案するため、「いくらで出せばいいかわからない」という出品時のハードルを下げる効果が期待される。

メルカリは2025年7月から「AI-Native」という方針を掲げ、AIを前提としたユーザー体験の再設計を全社で推進してきた。今回の連携はその一環であり、今後はChatGPTに限らず、さまざまなAIサービスから「メルカリ」の機能を呼び出せる接続基盤の拡充を目指すとしている。グループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の実現に向け、AIを通じて売り買いをより自然に、よりかんたんに楽しめる体験の提供を続ける方針だ。