リアルタイム洪水予測システムのGaia Vision 「JAXAパートナースタートアップ」に登録

気候科学・水文学を専門とする東京大学発のスタートアップである株式会社Gaia Visionは6月19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から「JAXAパートナースタートアップ」の名称使用許可を受けたと発表した。JAXAパートナースタートアップは、JAXAとの共創や共同研究によって生み出された成果、あるいはJAXAの特許を活用した事業を手がけるスタートアップを対象とする枠組みで、認定された企業はJAXAから各種支援を受けられる。

同社は、東京大学生産技術研究所などの研究成果である高精度の洪水シミュレーション技術と、気候ビッグデータの分析技術を基盤に、気候変動対応やサステナビリティ情報開示に役立つデータソリューションを提供している。主力サービスは2つある。気候リスク分析システム「Climate Vision」は、洪水リスクを地図上で分析・可視化できるサービスで、企業や自治体が拠点の将来の洪水リスクを評価する際に用いる。もう一つの「Water Vision」は、JAXAが運用する地球規模の水循環シミュレーション「Today's Earth Japan」と連携して開発したシステムで、最大36時間先までの洪水予測情報をリアルタイムに提供し、浸水範囲や深さを高い解像度で予測する。

体制面では、Water Visionの開発でJAXAのToday's Earth Japanと連携してきたほか、同社は科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業「衛星観測とモデルシミュレーションとの融合による長時間洪水予測の実装」に共同研究機関として参加している。今回の名称使用許可により、衛星観測データを持つJAXAとの連携を一層強める体制が整う。北祐樹代表取締役は「今後はJAXAパートナースタートアップとしてJAXAと更に連携を強め、気候変動対応、防災・減災、サステナビリティ情報開示に資するデータソリューションの提供を通じて、持続可能性とレジリエンス向上に貢献してまいります」とコメントしている。

気候変動を背景に豪雨や洪水のリスクが高まるなか、企業には拠点やサプライチェーンにおける物理リスクの把握、サステナビリティ情報開示、BCP(事業継続計画)・防災対策の高度化が求められている。自治体にとっても災害対応や避難判断の支援は課題となっている。衛星観測と気候シミュレーションを組み合わせた予測・分析の社会実装が進めば、こうした課題への対応力の向上につながる取り組みといえる。