N-ARK 気候変動に適応する海上未病都市の構想を発表

海上建築スタートアップのN-ARK(静岡県浜松市)は2023年6月7日、新たな海洋経済圏(NEW OCEAN)を生み出すため、海上未病都市「Dogen City」の事業構想を公表した。また、この実現に向けて、多様な産業やテクノロジー、ルールを統合する産学官での「NEW OCEANコンソーシアム」も始動する。

「Dogen City」のコンセプトは医食住情電資を「同源」に融合させることで、ソーシャルインパクト(自然災害への対応、海洋環境改善、気候難民受け入れ)と経済インパクト(従来の海運・資源・国防に加え、新技術・ビジネスを活用した発展)の両面から、海洋ビジネスイノベーションを目指している。「Dogen City」は直径1.58km、周囲約4kmの大きさで、平時には海上未病都市としての機能し、自然災害時にはスタンドアローンでも機能するように設計。同都市の住民は、リングデバイスや血液採取、ゲノム分析から都市OSによって生活圏データの管理と分析を行うことで、日常的に遠隔医療を受けることができることを構想している。

N-ARKは2021年8月設立。「Rising NEW OCEAN」をビジョンに掲げ、民間による海洋ビジネスイノベーションにより、海洋を新たな経済圏とし、気候変動に対してレジリアンスな海洋経済圏を創り出すことを目指している。その実現のための3つの産業として、気候変動に適応する機能を持つ自立分散型の海上未病都市、海洋データインフラの高速化を目指した海洋コンステレーション、宇宙と海と地上を結ぶ新規観光産業に着目している。今回発表されたのは、その一環となる海上未病都市の事業構想。

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