ファーメンステーション 次世代型食品素材開発へ、岩手大と共同研究

バイオものづくりスタートアップのファーメンステーション(千葉県船橋市)は2025年11月10日、岩手大学農学部の伊藤芳明教授と共同で、「未利用バイオマス発酵産物のヘルスケア機能探索に関する研究」を開始したと発表した。これにより、未利用資源の新たな付加価値化と、発酵技術を基盤とした次世代型食品素材の開発を目指す。

同社はこれまで、未利用資源を独自の発酵技術で高付加価値な素材にアップサイクルする研究開発を進めてきたが、今回の研究はその知見をさらに拡張し、「発酵によって生まれる新たなヘルスケア素材の可能性」を科学的に検証するもの。

研究には、多様な素材特性を持つ約50種類の未利用バイオマスを発酵原料に、酵母、乳酸菌、麹菌などの発酵特性から選定した約30種類の微生物で発酵した約1500種類の未利用バイオマス発酵産物を、ヘルスケア機能の評価用検体として用いる。これらを被験物として、脂肪細胞を用いた脂質蓄積抑制作用の評価を中心に実施する。これにより、過剰な中性脂肪、皮下脂肪蓄積の抑制に寄与する可能性のある機能性素材の探索を目的とし、高機能素材開発のモデルケースとして取り組む。

ファーメンステーションは「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」をパーパスに、未利用資源を再生・循環させる社会の構築を目指すスタートアップ。発酵アップサイクル技術の基盤と、開発するアップサイクル原料をもとに、食品、化粧品等の原料製造・販売を行う「原料事業」、パートナー企業と共創し食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さ等をアップサイクルしたバイオ素材等を開発する「事業共創」等を展開している。