慶大発再生医療ベンチャー 治験準備で16億円を調達

慶應義塾大学発ベンチャーのAdipoSeeds(東京都港区)は、DCIパートナーズ、ニッセイ・キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、Gemsekiのそれぞれが運営する投資事業有限責任組合を割当先とする総額16億円の資金調達を実施した。2022年12月12日に発表した。AdipoSeedsは脂肪組織由来の多機能血小板であるASCL-PLC(ASCL由来血小板様細胞、ASCL-derived Platelet Like Cells)の再生医療等製品としての事業化に取り組む企業。

調達した資金は、ASCL-PLCの難治性皮膚潰瘍および、血小板輸血を対象とした企業治験準備に充てる。新規事業であるPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)療法に関連する受託事業の、2023年7月の事業開始などの研究開発資金にも用いる予定だ。

AdipoSeedsは、ヒトの皮下脂肪組織から遠心分離したASC(脂肪由来間葉系幹細胞)を含む細胞群から、独自技術により精製・株化して樹立された間葉系幹細胞株ASCL(Adipose-derived  Mesenchymal Stem Cell Line)を、ASCL-PLCに分化誘導するという技術を基盤としている。ASCL-PLCを他家の再生医療等製品として、医療応用することを目指す。