日本システム技術 新中計を発表、教育・医療を中核に提案型モデルへ転換
日本システム技術(JAST)は、2026年度から2028年度を対象とする第1期中期経営計画「FY2026-FY2028」を策定し、2026年5月27日に説明会で発表した。長期ビジョン「JAST VISION 2035」で掲げた連結売上1000億円の達成に向け、この3年間を「選択と集中」のフェーズと位置づける。教育・医療を中核領域に経営資源を集中するとともに、受託開発中心の事業モデルから、業務知見をアセット化する「高付加価値循環モデル」への転換を打ち出した。最終年度の2029年3月期に売上高450億円、収益力を示すEBITDAが62億円、資本効率(ROE)20%以上の達成を目指す。
社長就任から約1年を迎える同社代表取締役社長の平林卓氏(月刊事業構想2025年12月号参照)は、日本国内のDX市場が「導入から成果」の段階へ明確に移行していると指摘。生成AIやAI駆動型開発の進展を背景に「変わらない企業は生き残れない」と述べた。そのうえで、創業以来重んじてきた「不易流行」の経営観のもと、価値が生まれるしくみそのものを作り変える「Re:Design DX」を新たなキーワードに据えると説明した。これを実装する「JASTオファリング循環モデル」においては、社内にあるコンサルティング・ソリューション提供・継続支援の能力を一体化し、案件で得た知見をアセット化して横展開することで、再現性と利益率の高い事業構造を構築する。
事業別の戦略では、まず現在、グループ売上の約66%を占めるDX&SI事業(2026年3月期の売上は213億円)において、地域別から産業・ソリューション軸への構造転換と、生成AIを組み込んだ「AI駆動開発」の全社展開(2027年度予定)を表明した。2029年3月期に同事業で、売上280億円を目指す。
教育事業においては、統合製品「GAKUEN」が4年制大学導入シェア27.3%(224校)で業界トップに立つ実績を踏まえ、データドリブン型の大学経営支援への進化を説明。現在の主な顧客は私立大学・公立大学であるが、2024年の東北大学、2026年の九州大学への導入を皮切りに国立大学への展開を加速する考えを示した。
ヘルスケア事業では、保有する匿名化レセプト・健診データが1000万人超(国民の約10%)、被用者保険でシェア30%超に達することが強みになる。今後はAIによるパーソナライズ施策で「社会の健康インフラ」を支えるプラットフォームへ事業領域を広げる方針を示した。
平林氏は資本政策にも言及し、配当性向を50%へ引き上げ、3年間で50億円以上を株主還元に充当すると発表。「誰もが知る課題解決企業になる」という長期ビジョンの目標達成に向け、教育・医療を起点とした社会課題解決型の事業構造へ全社変革を進める考えを強調した。