会議中にAIが思考を支援 YOMEL、リアルタイムAIエージェント機能強化

株式会社PKSHA Infinity(福岡県福岡市、代表取締役 森 慎吾)は2026年6月18日、AI議事録作成ツール「YOMEL(ヨメル)」のAIエージェント機能「AIチャット」に、会議の進行中にリアルタイムでAIと対話できる機能を追加した。

記録から意思決定支援へ、求められる役割の転換

国内の生成AI市場は急速な進歩を遂げており、2030年には約1.8兆円規模に達するとも予測されている。2025年以降は、単なる作業代行を超えて自律的に思考・支援する「AIエージェント」への注目が世界的に高まっており、議事録作成ツールにも単なる記録機能を超えた付加価値の提供が求められるようになってきた。

こうした流れを受け、同社は2026年5月11日に会議終了後のログに対してAIと対話できる「AIチャット機能」をリリースし、多くの企業から好評を得てきた。一方で現場からは、「会議の最中にリアルタイムでAIに相談したい」「議論が行き詰まったその場で壁打ちしたい」という声が相次いでいた。会議の本質的な価値は記録の正確さだけでなく、その場の意思決定の質にある。今回の機能強化はその要望に応えるものだ。

4つの新機能で会議中の思考を底上げ

今回のアップデートで追加・拡張された機能は大きく4点ある。

第1が、会議中のリアルタイム壁打ちだ。発言内容や会議の文脈をAIがリアルタイムで把握しているため、「今の提案に対するリスクは何か」「競合他社との比較はどうか」といった問いかけに対し、会議の流れを踏まえた回答を即座に得られる。

第2が、会議途中のリアルタイム要約だ。長時間の会議や複雑な議論の最中に「ここまでの内容を整理して」と指示するだけで、その時点までの発言・議論の流れをAIが瞬時にまとめる。途中参加者へのキャッチアップや参加者全員の認識合わせにも活用できる。

第3が、AIとのやり取りの非公開表示だ。会議中にAIと交わした対話は自分のみに表示され、他の参加者には一切見えない。会議の場では聞きにくいことも気兼ねなく確認できるため、発言の質と自信を高める効果が期待される。

第4が、既存機能とのシームレスな連携だ。会議中にAIと交わした内容は、会議終了後のログと統合されるため、事後のアクション整理や議事録編集においても文脈が途切れることなく活用できる。

2,000社超が導入、多業種・多業態に広がるYOMEL

YOMELは、Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsなど既存の会議ツールをそのまま使いながら、専用アプリのワンクリック操作で録音・文字起こし・AI要約を自動実行するサービスだ。会議終了後すぐに約9割の議事録が完成する。同社が独自開発した高精度音声認識エンジン「Olaris(オラリス)」を搭載し、自然会話の認識や話者の自動分離を実現している。2026年3月末時点での導入企業数は2,000社以上に達し、小野薬品工業、東急不動産、群馬銀行、読売広告社など、大企業から中小企業・スタートアップまで業種を問わず幅広く採用されている。

「対話の質的向上」を次の柱に

「無駄な仕事をなくす」をビジョンに掲げるPKSHA Infinityは、AIによる記録の自動化の先に「対話の質的向上」を位置づけている。労働人口が減少するなか、多くの企業が直面している「会議の多さと意思決定の遅さ」という課題に対し、記録の効率化だけでは不十分だという判断だ。今後は、リアルタイムAIチャットを基盤に、会議中の感情・温度感の分析や、複数の会議にまたがる文脈の継続的な管理など、AIエージェントとしての機能を拡充していく方針を示している。