スペースシフト、衛星データ解析「SateAIs™」に地図操作で使える「マップ解析」を追加

衛星データ解析事業を手がける株式会社スペースシフトは、衛星データ解析サービス「SateAIs™(サテアイズ)」に新機能「マップ解析」を追加し、2026年9月25日から提供を開始した。ブラウザの地図画面上で範囲を指定するだけで衛星データの解析ができるようになり、プログラミングやGIS(地理情報システム)の専門知識がなくても使える点を特長とする。

マップ解析の操作方法は2通り用意されている。ひとつは「地図で範囲を指定」する方法で、地名を検索したうえで、四角形または多角形で解析したい範囲を囲み、解析の種類と日付を選んで実行する。もうひとつは「AIアシスタントへチャット入力」する方法で、「東京湾の船を1週間分調べたい」といった日常の言葉で依頼できる。いずれもブラウザ上で操作でき、解析結果は地図上にリアルタイムで表示される。

解析できるのは5つのタイプだ。指定した海域にある船の位置と数を調べる「船舶検知」、海面に広がった油の範囲を捉える「オイルスリック検知」、期間内に新しく建った建物を見つける「新規建物検知」、期間内になくなった建物を捉える「消失建物検知」、同じ場所が時間とともにどう変化したかを見る「時系列変化検知」で、港湾の混雑把握や海洋汚染の早期把握、開発動向や工事進捗の把握などに活用できる。

解析には、欧州宇宙機関(ESA)が運用する人工衛星「Sentinel-1」のSAR(合成開口レーダー)データを用いる。SARは雲や夜間の影響を受けにくいため、天候や時間帯を問わず地表の状況を観測できる。利用にあたってはアカウント登録により無償で500クレジットが付与され、解析する面積に応じてクレジットを消費する仕組みで、実行前に必要なクレジット数が表示される。

スペースシフトはこれまで、SateAIs™を外部システムと連携させるためのAPIやPython・JavaScriptなどの公式SDK、コマンドラインツール、生成AIとの連携機能、GISソフト「QGIS」向けの公式プラグインを順次提供してきた。今回のマップ解析は、こうした開発者向けの提供手段に加え、専門知識を持たない利用者でも衛星データ解析に触れられるようにするものだ。

同社は「Sense the Unseen from Orbit(地球上のあらゆる変化を認識可能に)」を掲げ、インフラ管理や防災・減災、農業、環境保全といった分野での衛星データ活用に取り組んでいる。地図上の操作で解析を実行できるマップ解析の追加は、これまで一部の専門家に限られがちだった衛星データの利用の裾野を広げることにつながりそうだ。