サントリーとTOWING 茶粕由来の高機能バイオ炭製造、九州で地域循環モデル構築

サントリーホールディングスとグリーン・アグリテックスタートアップのTOWINGは2026年6月3日、両社で進めてきた高機能バイオ炭の実証実験で収量増の効果の確認を発表した。この結果を踏まえ、両社は九州地区における製造残渣の地域循環モデル構築に向け、今月以降、高機能バイオ炭の本格製造を開始する。

両社は、製造残渣のアップサイクルによる新たな価値創出と、高機能バイオ炭の活用を通じた化学肥料使用抑制による温室効果ガス(GHG)排出量削減を目的に、2025年5月より実証実験を実施してきた。実証では、サントリーグループの飲料工場から発生する製造残渣(茶粕)を原料としたバイオ炭に、TOWINGが保有する微生物群を培養して高機能バイオ炭を製造し、サントリーと契約するチャノキ農園に散布した。その結果、第1期・第2期いずれにおいても、収穫物の品質を維持したまま収量が約30%増加することを確認した。

これらの成果を受け、サントリーは九州熊本工場で発生する製造残渣を原料に、本格製造を開始する。今後、原料調達先であるチャノキ農園に散布することで、地域資源を活用しながら環境に配慮した持続可能な農業を推進する地域循環モデルの構築を目指す。

また両社は、海外でも高機能バイオ炭の製造・活用の検討を進めている。タイで発生したもみ殻を活用して製造した高機能バイオ炭を現地のサトウキビ畑へ施用する実証実験を2025年より進めており、現在は第2期となる。タイをはじめとする東南アジア地域では、農業残渣の野焼きによる大気汚染が深刻な環境問題となっており、この取り組みによって収量の安定化に加え、地域課題の解決やGHG排出量削減への貢献も目指す。

TOWINGは、「サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会を実現する」をミッションに掲げる2020年設立の名古屋大学発スタートアップ。農研機構の技術と独自技術を融合させて開発した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を展開している。