UCCと丸紅がタンザニアの小規模農家支援 持続可能なコーヒー生産体制を構築へ

(※本記事は「食品新聞」に2025年9月21日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

タンザニアの生産者に向けて台切り(カットバック)のデモンストレーションを行うUCC上島珈琲の中平尚己農事調査室室長
タンザニアの生産者に向けて台切り(カットバック)のデモンストレーションを行うUCC上島珈琲の中平尚己農事調査室室長

国連の専門機関である国際農業開発基金(IFAD: イファッド)・農林水産省・UCC上島珈琲・丸紅の4者協働のプロジェクトの枠組みの中で、UCC上島珈琲と丸紅は、タンザニアのコーヒー小規模生産者に対して“農家が自走できる仕組みづくり”を念頭に置いた支援を行っている。

タンザニアのコーヒー生産者のうち約9割が小規模生産者で占められている。

IFADによると、世界の食糧生産の3分の1を生産している小規模生産者は、依然として貧困と飢えに苦しみ、異常気象や価格変動などの外的影響を受けやすく、国際市場や融資へのアクセスの確保に苦労しているという。

苗床
苗床

この課題解消に貢献すべく、UCCと丸紅は昨年、民間企業として官民連携「民間セクター・小規模生産者連携強化(ELPS:エルプス)」イニシアティブ第一号案件「タンザニアにおける持続可能なコーヒー生産プロジェクト」に参画。農業の生産性・持続可能性の向上と小規模生産者の増収に向けて基盤整備に取り組んでいる。

今年に入り、両社は5月と8月にタンザニアを訪問。1回目は必要資材の手配とその活用方法や農業技術のレクチャー・実演を行い、2回目は苗床(ナーサリー)が確実に運用されているかなどの進捗の確認と新芽の選別やその後の手入れ方法をレクチャーした。

UCC上島珈琲の芝谷博司社長
UCC上島珈琲の芝谷博司社長

8月22日、横浜市で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のテーマ別イベント「IFAD/農林水産省共催イベント」でUCC上島珈琲の芝谷博司社長は「こうした支援は、プロジェクト開始前に、調査訪問の際に実施した農家の方たちとのワークショップで寄せられたリクエストをもとに我々の知見を活用により具体的、より効果的になるように設計されている」と説明する。

プロジェクトでは、タンザニア南西部に点在する9つの「AMCOS(アムコス)」と呼ばれる生産者組合(生産者約1800人)を対象に、約46万ドルの予算を投じて支援活動を実施し生産量を倍増させる。

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