日本財団 ゼロエミッション船プロジェクト 水素×バイオ燃料による「ゼロカーボン航行」に成功

日本財団は、水素を燃料にした船舶の開発を目指して推進する「ゼロエミッション船プロジェクト」において、水素とバイオディーゼル燃料の混焼によるゼロカーボンのタグボート航行に成功した。1月14日に発表した。


日本財団では、2050年に内航分野でのカーボンニュートラルを実現するため、運航時に温室効果ガスを排出しない次世代燃料として、「究極のクリーンエネルギー」とされる水素を燃料にした船舶の開発を目指す「ゼロエミッション船プロジェクト」を2022年1月に開始。3つのコンソーシアムを設立し、エンジンや供給インフラの開発・整備を進めてきた。2024年4月には水素燃料電池を用いた洋上風車作業船「HANARIA」のゼロエミッション運航を成功させており、2026年度末までに、他の2つのコンソーシアムと共同で、実証実験を実施予定だ。

今回、ジャパンハイドロ株式会社等が参画するコンソーシアムで、水素混焼エンジン搭載タグボート「天歐(てんおう)」が水素とバイオディーゼル燃料の混焼によるゼロカーボン航行を実行した。ジャパンハイドロ社が供給する水素混焼エンジンと大容量の高圧水素ガス貯蔵・供給システムを搭載。従来の化石燃料である重油(A重油)に水素を混ぜて燃やすことで、化石燃料のみを使用するタグボートと比べて約60%のCO2排出削減を可能にし、CO2排出量が実質ゼロのカーボンニュートラル燃料であるバイオディーゼル燃料(B100)を用いた航行に成功した。

日本財団の調べによると、2026年1月時点で、水素とバイオディーゼルの混焼以外での方法(水素とバイオディーゼルを燃料に、バッテリー・モーターを用いた電気推進)や、水素以外の燃料(アンモニア)を使用するタグボートは国内でも既に実績があるが、水素とバイオディーゼルの混焼によって、実質的に温室効果ガスを排出しないゼロカーボン航行の成功は、タグボートを含むあらゆる船舶において世界初の事例となる。

日本財団とジャパンハイドロ社では、今回のゼロカーボン航行の成功を、水素混焼エンジンを活用した脱炭素化への足がかりとし、水素やエンジンの高い技術を生かしたゼロエミッション船開発において、カーフェリーやタンカーなどの開発・実証も視野に入れ、我が国の海運・港湾脱炭素化に貢献していくとしている。