伊藤忠 心不全検知AI開発のSIMPLEX QUANTUMと資本業務提携
伊藤忠商事は2022年12月5日、心不全検知AIを開発するSIMPLEX QUANTUM(東京都渋谷区)と資本業務提携したと発表した。心電図データから心不全を検知するAIの普及に向けて、伊藤忠のグループ内外の医療機関やヘルスケア関連のネットワークを活用し、高齢化に伴い増加する心不全患者の早期発見と治療に貢献する。
SIMPLEX QUANTUMは2020年1月から国立大学法人東京大学医学部附属病院と共同研究を進め、約60万件の心電図データを分類し、心電図データから心不全を検知するAI「NIHA-HF」を開発。85%の精度で心不全の重症度を識別することに成功している。今後、同AIを診断補助として展開する予定で、AIをウェアラブルデバイスと連携させ、日常生活の中で心不全の悪化を検知し、病院受診を促す仕組みの構築も進めている。
日本では高齢化に伴い心不全患者数が増加しており、現在、全国で約120万人いる罹患者数は、2030年には約130万人に達すると推計される。しかし従来は、心不全の診断には問診、聴診、胸部X線検査、心電図検査、血液検査など総合的な判断が必要で、放置したまま重症化を招いてしまうケースも少なくなかった。
心不全検知AIの概要