DIC、AIロボティクス企業アールティに戦略的出資

DIC株式会社は2026年1月6日、AIロボティクス分野のスタートアップ企業アールティ(東京都千代田区)への戦略的出資を発表した。素材技術とロボティクス技術の融合による新たな価値創出を目指す。

出資を通じて、DICの素材技術・加工プロセス技術と、アールティの現場発想に基づくAIロボティクス技術の融合を進める。少子高齢化に伴う労働力不足、老朽化する社会インフラの維持管理、製造・物流現場における安全性向上などの課題に対し、自動化・省人化・高度化を実現するロボット技術の開発を加速させる。

DICにとっては、素材の可能性を最終製品として具現化するパートナーを得たことになる。一方のアールティには、グローバルに展開する素材メーカーの技術基盤とリソースを活用できる機会となる。

DICの長期経営計画「DIC Vision 2030」における重点領域の1つが「スマートリビング」で、その中核となるのが「Direct to Society」というコンセプトだ。従来のB2B型ビジネスモデルから一歩踏み出し、社会や消費者に直接価値を届ける事業への転換を図っている。具体例として、全方向に飛行可能なドローン「HAGAMOSphere(アガモスフィア)」や、柔軟な把持を可能にするロボットフィンガー「MoR」がある。いずれも素材メーカーとしての技術基盤を活かしながら、最終製品・ソリューションとして市場に送り出そうとしている。

アールティの技術的特徴は、エンボディードAI(実世界で学習・進化するAI)とハードウェアを融合させる点にある。ヒューマノイドロボットや4足歩行ロボットの開発に加え、ロボット開発の標準的フレームワークであるROS(Robot Operating System)の国内普及をリードしてきた実績を持つ。研究開発から社会実装まで一貫して手がける体制を構築しており、教育事業を通じた次世代人材の育成にも注力している。