航空機エンジン損傷の自動認識技術開発へ JALとクレスコが協業

日本航空(JAL)は2022年12月20日、クレスコと連携し、医療AIによる画像認識技術を活用した「航空機エンジン内部検査ツール」を開発すると発表した。JALの持つエンジン整備の豊富なノウハウと、クレスコが医療分野で培った画像認識技術や機械学習の知見を掛け合わせ、エンジン損傷自動認識や故障予知、技術継承などの価値創造を目指す。 

航空機エンジンの内部には何百枚ものタービンブレードが存在し、工業用内視鏡を使用して検査を行う。故障リスクを見分けるには整備士としての熟練が必要だった。JALとクレスコは2019年から、「エンジンの内部画像を見やすく処理し、かつ過去の画像データと比較するエンジン内視鏡検査支援ツール」の共同研究を開始。プロトタイプツールで有効性が確認されたため、今回の開発決定に至った。

タービンブレードの詳細な検査記録をデータベース化し、AIによる画像認識技術による損傷の自動認識を目指す。さらに、日々の検査で蓄積された情報と、運航中に収集しているエンジンデータを融合させ、不具合の発生を予測して事前に整備処置を行う「予測整備」へつなげる。また、本ツールの活用で、ベテラン整備士の豊富な知見や高度な内視鏡操作技術を若手整備士へ継承することにも取り組む。

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航空機エンジン内部検査ツールの仕組み