【6月19日赤澤亮正経済産業大臣会見】シンナー直販・鋼板関税・ホルムズ開放 エネルギー供給の「目詰まり」に総力戦
中東情勢を背景に続くエネルギー供給の混乱に対し、経済産業省は矢継ぎ早に手を打っている。2026年6月19日(金)の閣議後記者会見で赤澤亮正経済産業大臣は、シンナーのメーカー直接販売スキームの新設、中国・台湾産ニッケル系ステンレス鋼板への暫定関税の仮決定、米・イランの覚書署名を受けたホルムズ海峡の安全航行再開への期待、そして六ヶ所再処理工場の竣工に向けた国の進捗管理方針を相次いで表明した。
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シンナー直接販売、6月23日から注文受付
経済産業省は、シンナーや塗料の供給不足に対応するため、シンナーメーカーが工務店などの需要家に直接販売するための新たな仕組みを設け、2026年6月23日(火)から注文受付を開始すると発表した。
中東情勢を背景とした原油・石油製品の供給問題は、「日本全体として必要となる量」の確保自体に支障は生じていないものの、流通の偏りや目詰まりが継続している。とりわけシンナーや塗料については困窮の声が多いことから、同省は同年6月3日(水)よりシンナーの原料であるトルエン等の供給量を例年比最大1.8倍に拡大してきた。今回の直接販売スキームはこれに加えるかたちで導入されるもので、流通経路を短縮することによりきめ細かな対応が可能になると期待されている。赤澤亮正経済産業大臣は会見で、供給量の拡大と直接販売の組み合わせにより、需給逼迫に伴う価格上昇の抑制効果も一定程度見込まれるとの考えを示した。
中国・台湾産鋼板に暫定関税、7月にも発動
経済産業省は6月19日(金)、中国産および台湾産のニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板が不当に安い価格で日本に輸出され、国内業界に損害を与えている事実が推定されると認定し、仮決定を発表した。同調査は財務省との合同で2025年7月から実施されてきたものだ。
これを受け、関税・外国為替等審議会に諮問の上、答申がまとまり次第、中国産には最大約45%、台湾産には最大約21%の暫定関税を7月にも課税する予定だ。不当廉売(アンチダンピング)関税の適用が鉄鋼一次製品を対象に行われるのは今回が初めてとなる。なお、本件の事実関係調査は今後も継続して行われる。
米・イラン覚書署名、ホルムズ再開に期待
赤澤大臣は、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書に署名したことについて「事態の収束に向けた大きな一歩として歓迎したい」と述べ、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が速やかに再開されることへの強い期待を示した。
2026年7月分の原油調達については前年同月比約10割の確保に目途がついており、石油元売事業者の取り組みに謝意を示した。ホルムズ海峡が開放された場合は、中東産のターム契約(長期供給契約)に基づく供給が代替調達分に上乗せされるかたちで再開されることから、その動向を踏まえた対応を進める考えを示した。
中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置については、ガソリン小売価格を全国平均で1リットル当たり170円程度に抑制してきた。6月18日(木)時点で支援単価は18.2円まで低下しており、原油価格の現状が続けばさらなる低下が見込まれるとした。今後のあり方については与野党幹部から「中東情勢・価格動向・支援の持続可能性を勘案した柔軟な対応が必要」との指摘を受けており、引き続き状況を注視しながら検討を続けるとした。
六ヶ所再処理工場、国が進捗管理へ
赤澤大臣は6月18日(木)に使用済燃料対策推進協議会を開催したことを受け、その内容を宮下宗一郎青森県知事に伝えるための日程調整を事務方に指示したと明らかにした。
宮下知事への説明では、官民一体で六ヶ所再処理工場を確実に竣工させる決意とともに、補正申請作業や検査について国として進捗管理を行い、機動的な人材確保の調整に取り組む方針を伝える考えを示した。説明の場については大臣自身が直接知事と面会することも含め、青森県側と調整を進めているとした。