東北ドローンと東北大 AI・ドローン⼭岳遭難者探索システムを開発

東北ドローン(宮城県仙台市)は2023年5月24日、東北大学との共同研究により、AIとドローンを活⽤した⼭岳遭難者探索システムを開発したと発表した。ドローン電源投⼊から空撮、遭難者発⾒、クラウド経由の報告までを完全⾃動化する。今後、精度向上と実用化を目指す。

警察庁の統計によると、2021年の山岳遭難発生件数は2635件と過去2番目の多さで、近年右肩上がりに増加。遭難発生時には山間部を数日にわたり大人数で捜索するため、多大な運用費用と捜索者側の安全リスクが懸念されている。

こうした課題の解決を目指し、無人航空機ドローンを活用したインフラ点検事業等を行う東北ドローンは、東北大学タフ・サイバーフィジカルAI研究センターと共同で、2022年度にドローンを使った革新的な遭難者探索システムの研究開発に着手した。 

このシステムでは、ドローンと熱画像カメラ、AIシステム、位置情報取得システムと統合したもので、設定した範囲をドローンが自動航行し、熱画像カメラの映像から自動で人らしき箇所を捉え、その位置座標を送信する。福島県内での実証実験の結果、適合率(システムが検出した物体のうち、正しく検出された物体の割合)は90.5%を記録した。 

今後、AI推定の再現率や探索システム精度のさらなる向上のための研究開発を進めると共に、AIとドローンによる遭難救助支援システムの支援企業等を募り、早期の実用化を目指すという。

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⾃動⾶⾏ドローンと⼈検出AIを融合した「遭難者探索システム」