三井不動産と東京大学 EVの走行中ワイヤレス給電の実証へ向け、走行レーン新設

三井不動産と東京大学大学院新領域創成科学研究科 藤本・清水研究室は2023年7月3日、首都圏最大級の屋外ロボット開発検証拠点・「KOIL MOBILITY FIELD」にて、走行中給電用コイルを埋設した走行レーンを民間で初めて新設し、フィールド検証実験を開始したと発表した。これにより、日本初の電気自動車(EV)への走行中ワイヤレス給電の公道での実証実験に近づくことになる。また、走行中給電システムを開発研究する企業、大学等は、東京大学と共同研究パートナーとなり、かつKOIL MOBILITY FIELDの会員になることで同レーンを利用できるようになる。 

東京大学と三井不動産は、これまでの共同研究において、KOIL MOBILITY FIELDを活用して、走行中給電の早期実用化を目指し研究開発を進めてきた。今回、さらに研究開発を加速させるため、走行中のEVに給電できる走行中給電用の走行レーンを新設した。この走行レーンには、道路工事や路面温度等の環境条件に対応できるSWCC社製の送電コイルが埋設してあり、より社会実装に近いものとなっている。

同プロジェクトは、二酸化炭素の排出を抑制する「低炭素社会」を構築するための、新たな概念や科学に基づいた革新的技術の創出を目的としており、東京大学の藤本博志教授らの研究グループが提案し、JSTが「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域の研究テーマとして2017年10月に探索研究として採択した。共同研究機関である三井不動産とも連携し、2023年度には柏の葉エリアにて、日本初の公道での走行中給電の実証実験を行うことを計画している。

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