経産省、金融庁、環境省 企業の脱炭素化の資金確保へガイダンスを策定

経済産業省、金融庁、環境省は、「トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス ~資金調達者とのより良い対話に向けて~」を策定し、2023年6月16日に発表した。「トランジション・ファイナンス環境整備検討会」で検討していたもので、トランジション・ファイナンスの信頼性と実効性を向上することを目的としている。

トランジション・ファイナンスを通じて金融機関が社会の脱炭素化に貢献するためには、企業によるトランジション戦略の構築・開示はもちろん、金融機関が企業との対話を通じて、その着実な実行を支援・促進する必要がある。そこで今回のガイダンスは、特に資金供給後のトランジション戦略の着実な実行と企業価値向上への貢献を担保するための手引きとなるものだ。

ガイダンスでは、資金供給者によるファイナンス実行後のフォローアップの基本的な考え方やポイントについて、実務担当者が実践的に活用できるようにまとめている。トランジション・ファイナンスに係る戦略・目標・対象事業の進捗を確認する際に考慮すべきポイントなどを記載した。

経産省では、トランジション・ファイナンスを普及させるため、基本指針に整合したファイナンス事例について、情報発信、第三者評価費用の負担を軽減する支援事業を実施している。今回のガイダンスは、このような事業を通じて実施された各種ファイナンス案件において先行的に活用されることを期待している。

環境経済学