出光興産、SDSバイオテックとアグロ カネショウを統合 新会社「出光クロップアーツ」設立へ
出光興産は6月1日、グループ会社の株式会社エス・ディー・エス バイオテック(SDS)とアグロ カネショウ株式会社を統合し、2027年4月に新会社「出光クロップアーツ株式会社」を設立すると発表した。農薬の研究開発・製造技術を持つSDSと、農業現場に密着した提案力・技術支援力を持つアグロ カネショウの強みを組み合わせ、農業分野の課題解決と生産性向上に資する事業体制を構築する。
統合の背景には、世界的な人口増加や気候変動の進行があり、農業には安定した生産性と持続性の両立が一段と求められている。国内外の現場では人手不足や技術継承の難しさといった構造的な課題も顕在化しており、作物や地域ごとに異なる課題に対応するきめ細かな技術提案と支援の重要性が高まっている。
出光興産は中期経営計画(2026〜2030年度)で、農薬・機能性飼料によって食糧増産を支えるアグリライフ事業を重要な事業領域の一つに位置付けている。新会社の設立は、この方針に沿った事業体制強化の一環である。
出光クロップアーツは、国内事業で農薬の販売にとどまらず、作物や地域ごとの課題を踏まえた最適な農薬の提案と適正な使用技術の普及を進める。研究開発では創薬・製剤技術を基盤に、AIやデータ解析を用いて新材料の探索・開発を高速化・効率化する手法(MI)やDX、外部パートナーとの連携を取り入れ、研究開発力を強化する。海外事業では各地域の農業事情に通じた現地パートナーと協働し、地域ごとの課題に向き合う共創型の事業モデルを構築する。これらを通じて、農薬・機能性飼料の価値を製品の提供から現場起点のソリューションへと高め、グローバルで独自の存在感を発揮する企業を目指すとしている。
新会社の本店は東京都千代田区神田練塀町に置き、土壌消毒剤や害虫防除剤、病害防除剤、除草剤などの農薬に加え、機能性飼料、液肥、工業用防カビ剤、防疫薬剤、特殊化学品の製造・輸入・販売を手掛ける。資本金は8億1000万円。統合対象のSDSは農薬や機能性飼料、工業用防カビ剤などを、アグロ カネショウは土壌消毒剤や除草剤などの農業薬品を、それぞれ製造・販売している。