嬉野の和多屋別荘 館内インキュベーション施設にアイリー製薬が入居

嬉野温泉の旅館「和多屋別荘」(佐賀県嬉野市)は2025年12月5日、 同月1日付で、館内のインキュベーションオフィス「Onsen Incubation Center(以下、OIC)」にアイリー製薬(東京都港区)が入居したと発表した。OICとしては6社目の入居で、今回の入居は2026年春に館内へ開設予定の「調剤薬局」を見据えたもの。1300年続く嬉野温泉の文化と薬剤師の専門性を掛け合わせ、現代のライフスタイルに寄り添う新たなヘルスツーリズムの実現に向け、現地での共創を本格始動する。

和多屋別荘の外観

OICは、温泉旅館内に開設された日本初のインキュベーションオフィス。和多屋別荘は地域資源を次世代につなぐため「温泉文化のアップデート」をテーマに挑戦を続けているが、その一環としてイノベーションパートナーズ(東京都港区)とOICを共同運営し、多様な企業と共創を行ってきた。こうしたオープンイノベーションの姿勢がアイリー製薬の共感を呼び、嬉野で現代のライフスタイルに合った新しい「湯治のかたち」を発信したいという両社の思いが一致し、今回の入居につながった。

和多屋別荘とアイリー製薬が目指すのは、薬局を「薬を受け取る場所」から「暮らし方そのものを見直す場所」へ再定義すること。2026年春には館内の主要動線に薬局を開設し、薬剤師が旅館に常駐する環境を整備。温泉・医療・食文化を横断的に組み合わせることで、滞在中に体調・食・睡眠・メンタルケアまでを整えられる、これまでにない宿泊体験の創出を目指す。