新明和工業が次世代交通システム分野へ参入、Zip Infrastructureと資本業務提携
輸送・産業機器製造を行う新明和工業(兵庫県宝塚市)と、自走式ロープウェイ「Zippar」を開発するスタートアップのZip Infrastructure(福島県南相馬市)は2026年3月9日、資本業務提携を締結したと発表した。新明和工業にとっては、次世代交通システム分野への新規参入となる。
「Zippar」の外観
国内の公共交通は、都市部の慢性的な交通渋滞や路線バスの運転手不足、材料費・人件費高騰によるモノレール建設計画の中止・延期など多くの課題を抱えている。両社はこうした課題の解消・解決に向けて、環境負荷が低く継続的に運用可能な交通システムの実現を目指し、今回資本業務提携に至った。
今後は、「Zippar」の整備基地の構想段階から新明和工業が技術支援を行う。新明和工業のパーキングシステム事業で培った建築・機械技術や保守点検のノウハウを活用し、EV充電の多台数対応技術を応用した私有地向け充電設備の開発・製造や、機械式駐車設備の設計技術を活かした公共路線向けの充電設備・車両保管庫の開発・製造についても協業を進める。
新明和工業は、祖業である航空機製造から、現在は「都市」「輸送」「環境」などの社会インフラ領域へと事業領域を拡大。現在の主力製品はエレベータ方式駐車設備のほか、ダンプトラック・塵芥車(ごみ収集車)などの特装車、下水処理施設向けの水中ポンプなどで、国内トップクラスのシェアを誇る製品を多数有している。パーキングシステム事業では、機械式駐車設備と自動運転車との連携や、同設備の操作支援ツールとなるスマホ用アプリの開発などを行っている。
Zip Infrastructureは2018年設立の慶應義塾大学発スタートアップで、世界の都市部で多くの経済損失を生む渋滞問題の解決へ向け、次世代交通システムの開発に取り組んでいる。2018年から神奈川県で「Zippar」の開発に着手し、2023年4月には神奈川県秦野市で12人乗りテストモデル車両の走行に成功した。現在は開発拠点を福島県南相馬市に移し、神奈川県や沖縄県豊見城市などの各自治体と連携協定を締結しながら、開発を進めている。