宇宙建築スタートアップのSpace Quarters 1.6億円の資金調達を実施
宇宙建築スタートアップのSpace Quarters(東京都渋谷区)は2024年6月3日、エンジェルラウンドとして、レアゾン・ホールディングスや慶應イノベーション・イニシアティブなどを引受先とする1.6億円超の第三者割当増資を実施したと発表した。
同社はこれまで、スカパーJSATやJAXAなどの大手企業や政府機関からプロジェクトを受託しながら、宇宙建築ロボットシステムの設計と要素技術のPOCを進めてきた。今回の資金調達により、同社は地上における宇宙模擬環境での実証試験の完了や、その先の宇宙での溶接組立実証の実施と正式なサービスローンチに向けた開発を加速させる。資金使途としては、開発チームの強化や、試験設備の導入・改修、宇宙向け小型省エネの電子ビーム溶接機の改良を想定している。
Space Quartersは「宇宙建築技術を確立し、人類の宇宙進出を加速させる」ことをミッションに、軌道上や月面でのインフラとなる大型構造物を施工する宇宙建築システムを開発している東北大学発ベンチャー。宇宙でのインフラの役割を担う大型構造物の実現にあたり、地上から完成体を輸送する旧来のプロセスでは、宇宙構造物のサイズや形状が、ロケットの積載サイズや打上時の振動・加速による破損リスクから大きな制約を受ける。この課題に対し、同社は完成した構造体を打ち上げるのではなく、建材を打ち上げ、独自開発の溶接ロボットシステムを用いて軌道上や月面で組み立てを行うことで、これまで人類が作ることのできなった大型かつ高付加価値な宇宙インフラを圧倒的低コストで実現することを目指している。
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