脱炭素成長型経済へ、GX推進戦略を閣議決定

「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)が2023年7月28日に閣議決定された。「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」(月刊事業構想2023年6月号参照)に基づくもので、成長志向型カーボンプライシング構想などの新たな政策を実行するための戦略となる。

エネルギーの安定供給と経済成長を同時に実現するため、2つの方針を示した。まず1つ目は、徹底した省エネに加え、再生可能エネルギーや原子力など、エネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換ほかGXに向けた脱炭素の取り組みを進めること。2つ目は、GXの実現に向け、「GX経済移行債」などを活用した先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などを含む「成長志向型カーボンプライシング構想」を実行し、実現すること。

同戦略では、社会全体でGXを推進していくために、新たに生まれる産業への労働移動を適切に進めていくとしている。もともと3年で4000億円だったが、5年で1兆円まで拡充した「人への投資」の政策パッケージで、労働移動の円滑化支援、在職者のキャリアアップのための転職支援を行い、新たなスキルの獲得とグリーン分野を含めた成長分野への労働者の移動を進める。また2022年11月に発表した「スタートアップ育成5か年計画」の目標も踏まえ、GX関連分野のスタートアップ企業の研究開発・社会実装支援なども強化していく。

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