AEA2021 ニュージーランドの地震対策企業が1位を獲得

アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)運営委員会は、2021年10月27日、28日、イノベーションアワード「AEA2021」をオンラインで開催した。2012年より毎年開催しているアワードで、10回目の開催となる今回は、「ヘルスケア」「ワーク&ライフスタイル リフォーム」「サステナビリティ」というこれからの世界において重要な3つのテーマに関連したソリューションを持つ、アジア各国・地域から選ばれた技術系スタートアップ30社が参加した。

AEA運営委員会委員長の各務茂夫氏は、開会にあたり「アジアはイノベーションに貢献するために重要なエリア。アジアからユニコーン企業の輩出が増えている。日本に、アジアのイノベーションエコシステムのプラットフォームをつくるために、10年前にAEAの活動を始めた。皆に頑張ってほしい」と挨拶した。

2日間にわたるイベントで、今年の1位に選ばれたのはニュージーランドTectonus社。同社は、地震のときに建築構造物の中心を再配置する機能を持つ、新築・改修の両方に対応可能な建築物用/液体貯蔵タンク用の制震ダンパーを商用化している。実用的なテクノロジーで、顧客からの評判が良いことが評価された。同社は特別賞として、マイクロソフト賞も受賞している。

2位は、タイMore Foods Innotech社。食を持続可能にすることを目指し、低塩・低糖分の植物由来の代替肉を販売している企業だ。日本ベンチャー学会によるJASVE賞も同時受賞した。3位はベトナムBiomass Lab社。製紙スラッジを加水分解することにより得られる、生分解性・高耐久性・無毒性など様々な特性を持つバクテリアセルロースの活用を手掛ける企業として、基礎技術の高さ、実用化後の商業的な可能性が評価された。

参加者の投票で決めるオーディエンス賞は、カンボジアPeth Yoeung Healthtech社が獲得した。同社は、カンボジアの企業として初めての参加で、医療記録や患者データなどを対象とする、クラウドベースでの病院管理プラットフォームを運営している。

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