ispaceとダイモン、月面ペイロード輸送ボックスの開発検討に関する基本合意書署名 幅広いプレイヤーの参入を目指す

株式会社ispaceと、ロボット・宇宙技術開発ベンチャーの株式会社ダイモンは、月着陸船搭載に向けたペイロード輸送ボックス(以下「輸送ボックス」)の開発検討に関する基本合意書を締結したことを1月30日に発表した。

ロボット・宇宙技術開発ベンチャーのダイモンは、「軽く・強く・確実に走る」ことを追求した超小型月面探査車YAOKIをはじめ、極限環境でのロボティクスと宇宙機システム技術を基盤に、月面探査・月面実証を支えるプロダクトを開発している。YAOKIの開発で培った知見を活かして、月面輸送における搭載・放出の難易度を下げるデプロイメントシステムの開発にも取り組んでいる。

ispaceは、月面資源開発に取り組むスタートアップで、2010年設立。日本、ルクセンブルク、アメリカに拠点を置き、月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)の開発を進めている。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。

ダイモンとispaceは本合意に基づき、将来的に多様な顧客ニーズに対応した小型ペイロード(人工衛星・探査機等の観測機器)を安全に月面まで輸送できる輸送ボックスの実現と月面への放出を目的として、ダイモンが開発するデプロイメントシステムを、ispaceが開発する月着陸船(ランダー)により月面まで輸送する。これによって、幅広い顧客層に向けた月面輸送サービスの提供に関する検討を共同で進める。

ダイモンは、ispaceが開発するランダーにペイロードを搭載するための輸送ボックスを最適化開発し、ispaceはそれらペイロードを安全に月へ輸送するため、ランダーとのインターフェースの適合性検討を担う。

月着陸船によるペイロード輸送には、ロケットでの打ち上げ時の振動や、分離後に宇宙空間を航行する際の厳しい宇宙環境への対応が求められる。輸送ボックスを用いることで、小型ペイロードを簡易にランダーに搭載し、かつ月面へ放出することが可能となるほか、顧客の要望に応じた温度管理や放射線から保護といった付加価値の提供が期待される。

月面ペイロードの開発においては、月面へペイロードを放出するためのデプロイメントシステムの開発難易度の高さが、これまで非宇宙産業による月面開発参入の障壁となってきた。今回の協業によって、月の過酷環境下で確実にミッションを遂行するための輸送・放出・展開までを安定的に担う機構が実現、広く提供されることで、非宇宙企業を始めとする新規参入の可能性が広がる。両社は、ペイロード開発者が月面実証に挑戦しやすい環境づくりへの貢献を通して、より幅広いプレーヤーとともにシスルナ経済圏の構築を目指す考えだ。