NTTデータ 社内発のシステム障害対応AIベンチャーと資本提携

NTTデータは2026年1月30日、インシデントテック(東京都品川区)と資本提携契約を締結し、出資を行ったと発表した。NTTデータは自社の一部プロジェクトにインシデントテックのシステム障害対応AIエージェント「IncidentTech」を導入し、障害対応の効率化を図る。インシデントテックは、NTTデータの社内ベンチャー制度から誕生した企業。

NTTデータは2023年7月の持株会社体制移行を機に、若手社員による「未来を語る100人プロジェクト」の提言を受け、2023年12月に社内ベンチャー制度を刷新。新規事業創発と人財育成を両輪とする「挑戦と学びの循環」を目的に、アイデア創出から事業化まで一貫支援する体制を整備した。

インシデントテックは同制度を活用して初めて事業会社化したスタートアップだ。創業者のNTTデータ社員が現場でシステム障害対応の課題を経験したことがきっかけとなり、「人の経験と勘」に依存した対応プロセスの効率化を目指して2024年12月に設立された。

インシデントテックが開発する「IncidentTech」は、2026年4月からベータ版の提供を開始予定。アラート発生から障害統括、顧客連絡、暫定復旧までの一連のプロセスをAIエージェントが支援し、属人化の解消と対応品質の平準化を実現する。

主な機能として、障害状況の自動生成・共有、障害報告書の候補自動生成、設計書やソースコードからの根本原因・暫定復旧の提案などを備える。将来的には複数のAIエージェントが協調しながら自律的に障害対応を行う世界の実現を目指す。

インシデントテックは現在、金融分野の企業を中心にPoC(概念実証)を実施中。2025年度末までに金融機関やシステム開発企業への導入を進め、中期的には通信・インフラ・製造業など他業界への展開を予定している。

NTTデータは今後、社内ベンチャー制度を通じた起業支援に加え、資本提携による事業拡大を推進し、社内発スタートアップの持続的な成長モデルの確立を目指す方針だ(月刊事業構想2025年11月号参照)。