2019年7月号

新教育ビジネスデザイン

高度化する社会のデマンドに応える教育とは

川山 竜二(学校法人先端教育機構 社会情報大学院大学 研究科長・教授)

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社会の制度としての教育

教育は何かにつけて注目の的である。教育というと、学校教育とくに人生における初期の教育を想定しやすい。それは、だれもが一度は教育に携わったことがあるので自分ごと化しやすいのであろう。義務教育制度によってほとんどの人間が日本の教育に包摂されている。そう、教育は大前提として、社会を構成する一つの制度である。社会に貢献するという点では、公教育でも私教育でも変わらない。くわえて、学校教育であろうとリカレント教育であろうとも本質的にはなにも変わらない。それでは、教育は社会に対してどのような貢献をするのか。当然のことながら、人に適切なキャリアを備えることである。公私を問わず教育を行う主体がどのような教育プログラムを提供するのかは、社会からの要求(デマンド)に応えなければならない。そもそもリカレント教育という機運そのものも、社会からの要請に応えたものに他ならないだろう。

社会のデマンド

これからの教育を考えるときに、ひろく社会からの要請に応えるのは必然と言える。ここで気をつけなればならないことは、その社会の要請は2つあるということである。第一に、現在時点において社会から要請されている人材像を教育するということ。そして第二に、急激に社会が変動するなかでこれから必要とされる人材像を教育しなければならないことである。この両者が両立する人材を養成できる教育を提供することが求められる。

だが前者の現在時点での教育にたいする要求は、注意が必要である。それは2つの時間差があるということである。一つは、これまでの教育を振り返って改善すべき点として見えたものが要求として出されたものであるということである。もう一つは、現時点での教育に対する要求を受け入れたとしてもその成果が社会に現れるまで時間がかかるということである。また、教育成果があらわれるまでに社会の状況が変化し、社会のニーズに合致しなくなる可能性もある。そうした社会の状況変化も踏まえた上での教育設計が必要なのである。

教育を構想する際に最も重要なことは、社会構造を分析しどのような人材が求められているのか、人材育成像を明確にすることである。

社会のデマンドに応える教育とは、現状における社会の要請に応えつつも、社会動向が変化したあとにも通用する人材育成を目指さなければならない。すなわち、現在と未来のダブルバインドの要請に応えることが必要である。そのためには、社会動向を掴むことが重要ではないだろうか。

 

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