関西ペイント 漆喰塗料が新型コロナウイルスを不活性化を実証

関西ペイントは、2020年10月5日、長崎大学感染症共同研究拠点の安田二朗教授と実施した実証試験で、同社の漆喰塗料の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果を確認したと発表した。

実験室で漆喰塗料に接触した同ウイルスは、5分で99.9%以上が不活化した。関西ペイントでは、2007年に漆喰塗料の開発に着手し、「アレスシックイ」の製品名で販売するとともに、抗菌・抗ウイルス効果のデータを蓄積してきた。2019年11月に発売した、漆喰塗料を塗布したシート・テープ製品は、もともとは抗インフルエンザウイルス効果を期待して商品化したもので、商業施設や公共施設などで採用されている(月刊事業構想2020年8月号参照)。

同日の記者会見で、関西ペイント汎用塗料本部長の中野佳成氏は、同社のウイルス対策ビジネスは今後も成長の余地があるとの見解を示した。そして、「これまでは、建築塗装分野を対象に年間売り上げは2億円ほどの地道にビジネスを継続してきた。社会全体にウイルス対策の意識が拡大しており、4月以来様々な分野から、漆喰塗料製品の引き合いが来ている。2021年度には年間30億円の売り上げを見込んでいる」と語った。

ビジネスの拡大に向け、これまで販売してきた塗料や接触感染対策テープ、シートに加え、11月に発売するウイルス対策マット、防災用の段ボールベッドなどへと製品の幅を広げる。顧客層も、建築会社だけでなく、すべての企業のウイルス対策担当部署、飲食・商業施設、観光関連施設、学校や高齢者施設へと展開する計画だ。

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