アサヒグループなど 堆肥による農地活性化実証事業の開始

ウエルクリエイト(福岡県北九州市)、NTT西日本グループ、SOFIX農業推進機構(滋賀県草津市)、アサヒバイオサイクル(東京都渋谷区)は、地域における有機系資源のリサイクルによる農地活性化実証事業を開始した。2020年8月6日に発表した。

現在日本では、大量の食品残渣が発生し、各地域はその処分のために膨大なコストを負担している。また、食品残渣だけでなく、湖沼に大量に繁茂する水草や、駆除した外来魚などの大量の有機物を焼却処分する場合にも二酸化炭素の排出があり、環境に対しても悪影響を及ぼしている。一方、食料の大量輸入による国内の農作物の販売価格の低迷や、農業後継者の減少による耕作放棄地の増加など、地域の農業生産者は厳しい事業環境に直面している。

これらの課題を解決するため、4者のIoT、クラウド、食品資源循環システム、土壌成分分析といった技術ノウハウを統合し、実証事業を開始した。地域の有機系資源を堆肥にリサイクルし、焼却処分される廃棄物量を削減する。この堆肥によって農地の地力を向上させ、安全・安心な農作物を栽培し、消費者に提供していく「有機系地域資源リサイクルによる循環社会」の構築を目指す。実証事業を行うエリアは宮城県、滋賀県、沖縄県の3県で、期間は2020年7月から2021年2月まで。

今後、各社各組織は、実証事業における知見を踏まえ、地域資源循環システムを事業として広く展開し、地域経済の活性化に貢献していく計画。国内だけでなく東南アジアなどの新興国への展開も進めていく予定だ。

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