税関行政の中長期ビジョンを発表 AIなども活用へ

財務省関税局は、2020年6月18日、税関行政の中長期ビジョン「スマート税関構想2020」を発表した。キーワードとして「Solution(利便向上策)」、「Multiple-Access(多元連携)」、「Resilience(強靱化)」、「Technology&Talent(高度化と人材育成)」の4つを挙げ、世界最先端の税関の実現を目指す。

具体的な構想としては、訪日外国人旅行者と日本人海外旅行者の増加に対応した税関検査場電子申告ゲート(Eゲート)の利用や納税のキャッシュレス化、越境電子商取引の増大・EPAの締結・FTA比率の拡大で複雑化する税関手続きを、デジタル化進展や自動応答プログラムを活用した相談対応などで迅速化すること、などを挙げている。税関業務の多様化・複雑化に対応するため、監視取締におけるドローンや衛星情報などの活用の検討や、外国税関との積極的な連携も進めていく。

さらに、税関職員の働き方改革や、研修の充実にも言及した。今回の構想に基づき、関税局・税関の職員が自らアイデアを出し、業務改善や税関の将来像について考える文化を醸成していきたい考えだ。

今回のビジョンには工程表も付加されている。2022年度までの短期に実現するものとして、Eゲート用アプリの改善と利用向上のためのPR、納税のキャッシュレス化、通関審査支援や事後調査支援のためのビッグデータAI解析、AIによるX線検査画像審査支援、などがある。

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