経済産業省 「中小M&Aガイドライン」を策定

経済産業省は、2020年3月31日、「中小M&Aガイドライン-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-」を策定したと発表した。2019年12月20日に策定・公表した「第三者承継支援総合パッケージ」に基づき、2015年の「事業引継ぎガイドライン」を全面改訂したもの。

中小企業がM&Aを躊躇する主な3つの要因、すなわち(1)M&Aに関する知見がなく進め方が分からない、(2)業務の手数料などの目安が見極めにくい、(3)支援に対する不信感、を踏まえ、M&Aの基本的な事項や手数料の目安を示すとともに、M&A業者などに対する行動指針を提示した。

後継者がいない中小企業向けの手引きとしては、中小M&A事例を約20件取り上げたり、確認事項や契約書のひな型を具体的に提示したりしている。さらに、仲介手数料の考え方や、手数料を客観的に判断する基準を示し、また支援内容についてはセカンドオピニオンを実施することを推奨した。

M&A支援機関向けの事項としては、まず基本姿勢として、事業者の利益の最大化と支援機関同士の連携の重要性を提示。M&A専門業者に対しては、適正な業務遂行のための不利益情報(売り手と買い手の両方から報酬が入る取引であることなど)の開示の徹底、そのリスクを最小化する措置を講じること、さらにはセカンドオピニオンを許容する契約とすること、などといった行動指針を示した。

経産省は同ガイドラインについて、全国48カ所の事業引継ぎ支援センターと同センターの登録機関へ遵守を義務付ける。また、その他の中小M&A支援に関わる機関にも遵守を求めていく予定だ。

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