更なるバリアフリーへ 高齢者・障害者の移動円滑化法案が閣議決定

「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定された。2020年2月4日に国土交通省が発表した。2020年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとしての共生社会の実現に向け、設備などのハード面だけでなく、移動などの円滑化にかかわる「心のバリアフリー」の観点からの施策を強化していく。

改正法の背景にあるのは、2018年12月のユニバーサル社会実現推進法の公布・施行と、オリパラ東京大会をきっかけとした共生社会の実現を目指す動きだ。今回、公共交通機関にはスロープ板の操作や照度の確保などのソフト基準の順守を義務付け、高齢者・障害者の別路線への乗り継ぎを円滑化するために事業者同士が協議することへ、応諾義務を創設した。

国民に向けての広報啓発も強化する。優先席や、車いす使用者用駐車場などを必要とする人が利用できるようにすることを、国・自治体・国民・施設設置管理者の責務として追加。公共交通機関が義務として作成することになっているハード・ソフト取組計画にも、記載項目にこれを追加することになった。

自治体に対しては、「心のバリアフリー」に関する教育啓発特定事業を含むハードソフト一体の基本構想を作成する場合、その経費を保持所するほか、バリアフリーの促進に関する自治体への国の助言・指導に関する規定を創設するなどした。この他、バリアフリー基準適合義務の対象施設に、公立小中学校とバスターミナル(旅客特定車両停留施設)を追加するための規定を整備している。

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