エンゲート NEMギフティングによるスポーツ支援サービスのβ版を発表

エンゲート(東京都渋谷区)は、2018年10月9日、NEMブロックチェーンを使ったスポーツ選手へのギフティングのサービス「エンゲート」ベータ版の提供を10月20日に開始することを発表した。

このサービスでは、ファンが購入したトークンを、スポーツ選手にプレゼントする。プレゼントされたトークンは日本円に替えられ、チームや選手の収入となる。そしてそれらの履歴は、NEMブロックチェーン上に記録していく。スポーツチームや個人競技の選手にとっては、新しい収益源を追加できるメリットがあるほか、どの選手がどのようなファン層に人気があるのかや、熱狂的なファン層のプロフィールなどのデータを得られる。また、プレゼントしたトークンの数により、特別なグッズやサービスをファンに提供することで、新しいファンサービスの開拓にもつながる。エンゲートは、プレゼントされたトークンの数により収益の分配を受ける。サービスを利用するチーム側には、導入費用や固定の月会費などはない。

10月20日にはウェブ版のエンゲートを公開する予定だ。同日、プロバスケットボールチームの横浜ビー・コルセアーズの試合で、来場した観客にトークン100ポイント分を無料で付与し、ビー・コルセアーズの好きな選手にギフティングするキャンペーンを行う。これ以上をプレゼントしたい場合には、クレジットカードを使って購入できる。

以降、プロサッカーの湘南ベルマーレやINACレオネッサの試合でも、このようなキャンペーンを実施する計画だ。プロ野球独立リーグの徳島インディゴソックス、フットサルのフウガドールすみだ、ハンドボールの琉球コラソンも、試合への同システムの導入を計画している。9日の記者会見には、各チーム運営企業の社長が参加し、「メディアに頼らず、どうやって情報発信をしようかと考えていたところに、良い方法を紹介された」「選手の人柄や人生観を見て応援してほしい」などとコメントした。

エンゲート社長の城戸幸一郎氏は、ソフトバンクを経て、楽天で執行役員を務めた後、2018年2月にエンゲートを起業した。起業の動機は、高校の同級生だった石橋顕選手(セーリング)を北京オリンピックに出場させるために、知り合い同士で必死に資金集めした経験だ。「才能はあるのに、スポンサーが得られず競技を諦める選手を出さないことを目標に、エンゲートを設立しました」と城戸氏は語った。

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エンゲートベータ版提供開始に合わせ、複数のクラブチームが利用を表明している。中央が城戸氏