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Loco Partners 篠塚社長 新規事業構想の要は「土俵・重力・財布」

月刊事業構想 編集部(2018/1/11)

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一流ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux」を運営するLoco Partners(東京都港区)の篠塚孝哉社長が、東京商工会議所・東京信用保証協会主催の「創業フォーラム」で、創業予定者や企業経営者に向けて自身の創業体験や新規事業の創り方について語った。

 

篠塚社長は、2011年9月にLoco Partnersを創業。同社は、会員制の一流ホテル・旅館の予約サービスReluxを運営しており、2017年3月にはKDDIの連結子会社となった。

 

同社立ち上げには東日本大震災が関係している。篠塚社長は、リクルートに入社後、旅行カンパニーで宿泊予約仲介サイト「じゃらん」に配属された。2011年3月に東日本大震災が起き、「じゃらん」で担当していた福島県の旅館・ホテル経営者が苦境に陥る。そこで、ウェブマーケティングでこれらの旅館・ホテルを支援するため、資本金200万円でLoco Partnersを立ち上げた。当初はSNSを介したマーケティング支援を行っていたが、自社で宿泊予約サービスを手掛けることを決め、Reluxを開設した。

 

旅行代理店のビジネスモデルは、ホテル・旅館からの収入で成り立っている。多額の広告費を負担できる施設が優先して紹介されることから、旅行者は代理店から勧められた宿泊施設が期待と異なっている、というリスクにさらされている。Reluxのビジネスモデルはこのような既存の旅行代理店のビジネスモデルとは異なっている。同サイトでは、自社の選定基準で合格した優良宿泊施設のみを5ランクに分類し、ウェブサイトに掲載する。手数料は一律、宿泊料金の12%。旅行プランをコンシェルジュが提案するサービスも実施している。

 

他の宿泊予約サイトと差をつける目的もあり、「ウェブサイトの構成はシンプルにした。外から見るとすっきりと美しいが、日々変わる宿泊料金の表示や新規施設開拓など、泥臭い努力の上に成り立っている」と篠塚社長は話した。

重力に逆らわない

 

篠塚社長は、拡大型のビジネスを考える際に重要と考えている3点、「土俵・重力・財布」について語った。「土俵」は、マーケットの選択だ。起業し、ビジネスを大きく育てたいのであれば、規模が大きくてこれからの成長が期待できる領域を選定しなければならない。「土俵の選定は、普通に考えられているよりも10倍は重要」と篠塚社長は強調した。

 

「重力」は、世の中の流れだ。「世界は落下していく。落下を止めるより、どこに向かって落ちていくのかを考えるべきだ」と篠塚社長は言う。世の中が変化している方向を見極めながら事業モデルを構築していく。篠塚社長は、「落下の方向」の例として、貨幣の電子化、ライドシェアなどの新しい移動手段、民泊が代表するような宿泊のUnhotel化を挙げた。

 

また、新規事業にとって重要な「お財布のスイッチ」についても話した。「ビジネスの成功事例はゼロを1にしたように見えるが、注意深く観察すると、先行の類似サービスに使われていたお金の移動が見られる」という。Reluxの場合には、実店舗の旅行代理店に支払われていた旅行代金が移動してきた。Airbnbでは宿泊費が、Uberでは交通費が、クックパッドでは料理本の代金が、新しいサービスにスイッチしている。自社の新規事業にスイッチしてくる財布がどこにあるのかは常に意識すべきだ。

 

現在、Reluxの100万人の会員のうち2割は訪日外国人が占めている。インバウンドへの対応を強化するとともに、2018年は、民泊事業にも注力していく予定だ。これ以外にも、社会の変化に合わせた新しい事業展開を検討していく考えだ。

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