AI評価システムのCitadel AI シリーズAで5.2億円を調達
AI評価システムを開発するCitadel AI(東京都渋谷区)は2023年7月12日、シリーズA資金調達ラウンドにおいて、東京大学協創プラットフォームやサントリーホールディングスを引受先とする総額5.2億円の第三者割当増資を実施したと発表した。
Citadel AIは、「信頼できるAI」実現のための独自のソリューションを提供する2020年設立のスタートアップ。開発・学習段階のAIの自動耐性テストを行う「Citadel Lens」と、運用段階の自動モニタリングを行う「Citadel Radar」を提供する。
従来のテスト方法では、AIの中身の情報を活用して手作業で検証を進めていたため、膨大な手間と時間が必要で、新しいモデルを導入するたびに検査ツールを作り直す必要もあった。Citadel AIの製品はAIの入出力を見るだけで外部から瞬時にリスクを自動検証・自動診断し、その原因を人間に分かりやすい形で可視化でき、AI規制が最も進む欧州最大手の第三者認証機関BSIのAI評価システムとして採用されている。
生成AIの急速な進展と共に、AIの誤った出力やセキュリティ・バイアス等に対する課題が浮き彫りになり、世界各国でAIの信頼性に対する懸念が高まっており、2023年6月にはEUで世界初となるAI規制法案(EU AI Act)が採択された。ハイリスクAIに対しては、今後、リスク管理プロセスの確保やユーザーへの情報開示に加え、技術的な適合検査などの規制がかけられる見込み。
Citadel AIは資金調達によって、主力製品の対象を生成AI等の最新AIへと拡充すると共に、各国の法制度やさまざまなISO標準に対する適合性テスト機能の搭載を進め、グローバル市場への事業展開を加速する方針だ。
Citadel AIの事業領域