FRDジャパン サーモントラウト陸上養殖、実証から商業ベースへ移行を決定
FRDジャパン(埼玉県さいたま市)は、千葉県富津市にサーモントラウト陸上養殖商業プラントを建設することを2023年7月20日に発表した。商業プラントでは、2027年より年間3500トン規模のサーモントラウトを生産・販売することを目標としている。同社は2018年に千葉県木更津市と埼玉県さいたま市にサーモントラウトの陸上養殖の実証実験プラントを開設、これまで20世代以上の魚を養殖し、バクテリアを活用した独自の閉鎖循環システムの有効性を確認してきた。養殖したサーモンはすでに販売している。
本格的な商業化に合わせてFRDは、第三者割当増資とブルーサステナビリティファイナンスの枠組みを活用した融資による資金調達を実施する。調達した資金は、商業プラントの建設資金や運転資金、研究・開発・投資資金などに充てる計画だ。ブルーサステナビリティファイナンスは、特に海洋環境・海洋資源などの保全に貢献する事業のための資金調達法で、FRDの場合には海に依存せずにサーモントラウトを安定生産する事業であることから対象に当てはまる。
FRDは、京葉銀行と三井住友信託銀行、りそな銀行と、商業プラントの建設資金を目的とした融資契約を締結した。融資に際してFRDは「ブルーサステナビリティローン・フレームワーク」を策定しており、同フレームワークと国際機関の定める原則等との適合性に対するセカンド・パーティ・オピニオンを格付投資情報センター(R&I)から取得している。また第三者割当増資は、エア・ウォーター、STIフードホールディングス、積水化学工業、長谷工コーポレーション、三井住友信託銀行、三井物産、三菱UFJ銀行を引受先とし、総額210億円の調達で合意している。