産官学共創で描く北広島の未来 「北海道事業構想イノベーションラボ」オープンキャンパス
2025年11月23日、エスコンフィールドHOKKAIDOにて、トークセッション「北海道発 学びと実践を結ぶ人づくり 『事業構想イノベーションラボ』で描く地域の未来」が開催された。登壇者は、北広島市 副市長 川村裕樹 氏、株式会社エスコン 代表取締役社長 伊藤貴俊 氏、事業構想大学院大学 学長 田中里沙。

冒頭、田中学長は本セッションが今年6月に発足した産官学共創プロジェクト「北海道事業構想イノベーションラボ」のオープンキャンパスであると説明。プロジェクト発足の背景や概要、今後の展望について3者が語り合った。
官民一体で取り組む「共同創造空間」
セッションの前半では、エスコンフィールドHOKKAIDOを軸とした街づくりについて議論が交わされた。北広島市においては、球場運営にとどまらず「共同創造空間」をキーワードに、周囲のまちを含めて官民一体で地域価値の創造に取り組んでいる。 セッションでは、エスコンフィールドHOKKAIDOのボールパーク構想に参画することになった背景や、それぞれの立場で描いていた「まち」「未来」の構想、共同創造空間に込めた想いについて、川村副市長と伊藤社長が語った。また、インフラ整備や生活圏の構築、市民の理解を得るまでのプロセスといった街づくりの進行において、「想い」と「仕組み」を両立させるための工夫や苦労についても言及された。
産官学連携による人財育成
続いて、田中学長より「北海道事業構想イノベーションラボ」の概要が紹介された。本プロジェクトは産官学連携協定に基づき、株式会社エスコンからの企業版ふるさと納税を財源に、北広島市地域活性化政策補助事業として実施されるもの。事業構想人財育成と地域経済活性化を目指している。
公募で選ばれた20代から60代までの、金融機関、メディア、経済産業省、財団、ホテル業、ベンチャー企業など多様な業種からなる20名の研究員が参加している。全20回のプログラムでは、事業構想サイクルに基づき、現状の分析だけでなく理想から発想して新たな需要を生み出す事業を考え、構想計画をまとめていく。会場では、研究員たちが川村副市長のもとへフィールドリサーチに訪れた様子も紹介された。
研究員による構想発表
セッション後半では、プロジェクトに参加する研究員を代表して、田中 大幸(たなか ひろゆき)氏が登壇した。田中氏は、プロジェクトへの参加動機や、参加して感じている変化、気づきについて語るとともに、11月26日の中間発表会を前に、現在考えている構想案の発表を行った。 これを受け、伊藤社長と川村副市長からは、プロジェクトに参加する社員・職員の変化や成長、今後の経営・人財育成への活用についてコメントが寄せられた。
地域とともに未来をつくる
終盤には「今後の展望」として、地域や社会とともに未来をつくる企業・自治体の在り方について議論された。伊藤社長と川村副市長は、ビジネスパーソンだけでなく市民や学生も含めた地域未来の構想について、それぞれの視点から語った。
最後に田中学長は、「北広島市をイノベーションの拠点に、異業種の企業やパートナーとの知の共有、探索、コラボレーションによる共創を生み、北広島市域の課題解決・活性化に資する新たな事業を生み出すべく取り組んでいく」と結んだ。