年金受給者の公金受取口座、デジタル庁が登録代行へ 8月から順次案内

デジタル庁は、年金受給者の手続き負担を軽減するため、年金の振込先口座を公金受取口座として登録する取り組みを本格化させる。デジタル大臣の松本尚氏は、2026年6月30日に公開された動画メッセージで、厚生労働省および日本年金機構と連携し、未登録者へ順次案内を送付する方針を明らかにした。

公金受取口座(正式名称:公的給付支給等口座)は、本人名義の預貯金口座をあらかじめデジタル庁に登録しておくことで、給付金の受取時に口座情報の記入や通帳の写しの提出といった作業を省ける仕組みである。これまでに160種類以上の給付事務で活用されており、緊急時の給付や所得税の還付、児童手当などの支給を迅速化する基盤として位置づけられている。新型コロナ禍における特別定額給付金の支給で、口座情報の収集と入力に多大な時間を要した経験が、制度創設の契機となった。

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今回の取り組みは、行政機関等経由登録の特例制度に基づくものだ。給付主体である行政機関が年金振込先などの口座情報を保有している場合に、対象者へ通知のうえ意向を確認し、不同意の申し出がなければ同意があったものとみなして公金受取口座として登録する枠組みで、年金受給者についてはその事務を日本年金機構が担う。

対象は、年金を受給しながら公金受取口座を未登録の人である。2026年8月頃から2027年2月頃にかけて、日本年金機構から簡易書留郵便で意向確認書類が順次届く。登録に同意する場合は追加の手続きが不要で、意向確認書の到着から最低45日間の期間を経て、日本年金機構からデジタル庁へ口座情報が提供され、登録結果は後日通知される仕組みだ。

一方、登録を希望しない場合は、同封の不同意申出はがきを日本年金機構へ返送する必要がある。長期不在などで簡易書留郵便を受け取れず、日本年金機構へ返戻された場合は対象外として扱われるため、登録を希望する人はマイナポータルや金融機関での手続きが別途必要となる。

口座が登録されても、デジタル庁が把握するのは金融機関名や口座番号など給付に必要な情報に限られ、預貯金残高や取引履歴が共有されることはない。登録後の変更や抹消はマイナポータルからいつでも手続きでき、はがきの返送を忘れて登録された場合でも事後の抹消が可能だ。

松本デジタル大臣は動画の中で、年金受給者以外の未登録者についても、マイナポータルから簡単に手続きできる点を強調した。制度の詳細はデジタル庁の特設ページに掲載されている。