紙の健康保険証、12月1日に有効期限満了へ 制度移行直前のポイント確認

2025年12月1日に現行の健康保険証(紙やプラスチック製のカード)が有効期限満了を迎える。制度の大きな転換点を目前に控え、マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)への移行について、その概要と利用時のポイントを改めて整理する。デジタル庁が11月12日、13日のブリーフィングで配布した資料を基に、制度変更の要点を確認したい。

12月2日から「マイナンバーカードを基本とする仕組み」へ移行

2025年12月1日をもって、全ての健康保険証の有効期限が満了となる。これに伴い、12月2日から健康保険証はマイナンバーカードを基本とする仕組みへと移行する。12月2日以降は、マイナ保険証または資格確認書を用いて医療機関を受診することになる。なお、マイナンバーカードを持っていない場合でも、資格確認書が無償で交付され、これまでと変わりなく保険診療を受けることができる。

デジタル庁提供

データ連携による医療の質向上と効率化

制度移行の主眼の一つは、医療情報のデータ連携にある。マイナ保険証を利用し、患者本人が同意することで、医師や薬剤師は患者の過去の薬剤情報(種類や量)、特定健診の結果などを参照できるようになる。これにより、初めて受診する医療機関であっても正確なデータに基づいた診断や処方が可能となる。実際に、電子処方箋を導入している医療機関では、飲み合わせの悪い薬を自動検知し、処方を回避できた事例が報告されており、重複投薬の防止や副作用の回避に効果を上げている。


デジタル庁提供

また、医療機関側においても、従来のお薬手帳からの転記作業などが不要となるため、業務効率化への寄与が実現している。資料では、実際に導入した医療機関の事例として、情報の確認作業がスムーズになったことで健康被害の予防やスタッフの負担軽減につながったケースが紹介されている。

自身の医療情報管理とスマホ対応

利用者側の機能として、マイナポータルを通じて自身の薬剤情報、医療費通知、健診結果などをスマートフォン等で確認できる仕組みが整えられている。また、利便性向上のための施策として、2025年9月19日からはスマートフォンをマイナ保険証として利用できるサービスの運用が順次開始された。機器の準備が整った医療機関・薬局では、カード本体を持参せずともスマートフォンのみで受診が可能となっている。

制度の大きな転換点となる12月2日の新制度開始まで残りわずかとなった。企業や自治体の担当者は、従業員や住民に対し、12月1日の有効期限満了と新しい受診方法について、混乱のないよう確認を促す必要があるだろう。

制度詳細はデジタル庁のサイトへ。