モデルナ 日本のバイオベンチャーを買収、8500万ドルで

米モデルナ社は、2023年1月4日、オリシロジェノミクス(東京都港区)を8500万ドルで買収する契約を締結したと発表した。オリシロジェノミクスは、立教大学理学部生命理学科の末次正幸准教授が発明したゲノム技術を実用化する目的で設立された、無細胞DNA合成および増幅技術を持つバイオベンチャー。

モデルナ社はmRNA治療薬の開発を目指しており、新型コロナウイルスのワクチンを世界に先駆けて実用化した実績を持つ。オリシロジェノミクスの買収により、モデルナ社は、mRNA製造に欠かせないプラスミドDNAの無細胞合成と増幅のための技術を獲得する。これまで、長鎖DNAの増幅には大腸菌などの細胞が用いられてきたが、無細胞合成技術を使えば簡便かつ自在に目的のDNA配列を得られるようになる。