業歴100年以上の老舗企業の倒産が4年ぶり増加 帝国データバンク調査
帝国データバンクは2023年7月7日、業歴100年以上の「老舗企業」の倒産発生状況についての調査・分析結果を発表した。老舗企業の倒産は2023年1~6月に合計38件発生しており、前年同期の33件に比べて1割超の増加となった。また、1~6月としては2019年(58件)以来4年ぶりに前年を上回った。ただ、倒産する前に自ら休廃業を決断する場合もあり、実際に市場から退出した老舗企業の数はさらに多いと予想している。
業種別では、最も多いのは食品関連を中心とした製造業で全体の約3割を占めた。また、食品スーパーが多くを占めた小売業、宿泊業といったサービス業など「B to C産業」の割合が約4割を占め、3年ぶりの高水準だった。コロナ禍以降、B to C産業における老舗企業の倒産は減少したものの、2021年をボトムとして、再び増加傾向に転じた。
老舗企業は、老舗の看板を生かし、過剰債務を切り離して再出発を選択したケースもあるが、元来より経営が厳しかったなか、各種補助金やゼロゼロ融資などで耐え忍んできた企業も少なくない。物価高や人手不足、さらに従業員の高齢化や後継者の不在といった変化に耐え切れずに事業の継続意欲を喪失し、市場退出を決断した老舗企業が多くみられたという。