出向起業向け投資ファンドが活動を開始
出向起業スピンアウトキャピタル(東京都港区)は、2022年9月5日、投資活動を開始したことを発表した。インキュベイトファンドからの出資を受け、出向起業スピンアウトキャピタル1号投資事業有限責任組合を組成した。ファンド募集総額は10.2億円、設立時点の出資約束金額総額は5.1億円。
同ファンドは、社員が大企業などに在籍したまま、自ら資金を集めて起業する「出向起業」や、休職・辞職による起業を対象にしている。このような形で創業したスタートアップに、シード投資・経営支援・起業準備支援などを行っていく。投資額はプレシード・シード期の企業1社で、3000万円前後を予定している。
同ファンドの代表パートナーの奥山恵太氏は経済産業省で「出向起業」補助制度を企画した経験を持つ。「出向状態でも投資する」方針によるリターンを示し、出向状態の起業家でもシード資金を獲得できるようにすることを目指す。いずれは大企業社員が、所属企業から出向・休職・辞職を通じて起業することがキャリアの選択肢の1つとなること、これにより日本発の起業家の数が大幅に増えることを期待している。