骨太方針 さらに人口減の2030年代前に3年で制度改革進める

2024年の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)が2024年6月21日に閣議決定された。賃上げの促進、中堅・中小企業の活性化、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントラスフォーメーション(GX)・エネルギー安全保障などについて、推進の方針を打ち出している。

2024年度、すぐにも着手する事項としては、まず農林水産業・食品産業で働く人の所得向上に向けた環境整備がある。合理的な価格形成がなされるように官民でコスト指標を早期に示すほか、新たな法制度を2025年通常国会に提出する方針だ。森林の循環利用ができる経営体育成・集約化を促進する法制度や、教員の待遇改善のための改正法なども同様に2025年の通常国会で議論する考えだ。

さらに、今回の骨太の方針では、人口減少がさらに加速する2030年代を前に、「日本経済の新たなステージへの移行」が必要だと指摘している。これは2030年代以降も、実質1%を安定的に上回る成長を確保できる体制だという。その実現のために、「新たなステージを目指すための5つのビジョン(下参照)」に基づき、今後3年ほどで制度改革を含めた集中的な取組を講じるとした。

具体的には、スタートアップを通じた新技術の社会実装の推進、全世代型リ・スキリングなどを政策アプローチとして挙げている。働き方に中立的な社会保障制度の構築、将来の成長につながる分野において中長期の計画的な投資を推進すること、革新的エネルギーの技術開発とその社会実装・海外展開を進めることなども掲げた。


※新たなステージを目指すための5つのビジョン
(1)社会課題解決をエンジンとした生産性向上と成長機会の拡大
(2)誰もが活躍できるWell-being が高い社会の実現
(3)経済・財政・社会保障の持続可能性の確保
(4)地域ごとの特性・成長資源をいかした持続可能な地域社会の形成
(5)海外の成長市場との連結性向上とエネルギー構造転換

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