メンタルケアアプリemol 市原市で実証実験を実施、市職員が協力

emol(京都市)は、千葉県市原市協力の下、メンタルヘルスケアアプリ「emol(エモル)」による心理介入実験を行い、2021年7月5日に結果を発表した。emolは、同社が早稲田大学人間科学部・大学院人間科学研究科の大月友准教授の研究室と共同開発したアプリで、AIチャットを利用している。

実験は2021年3月に実施した。市原市職員を対象に、アプリによる心理ケアを行うデジタルプログラムを、実施した群とを実施しなかった群とを比較。デジタルプログラムを実施した群には、抑うつ・不安の軽減がみられた。今回は、介入時期が年度末の繁忙期と重なり、全体的に抑うつ・不安のスコアは悪化傾向にあったものの、デジタルプログラム実施群では一定の効果がみられたことから、アプリの効果を同社は期待している。

emolは、個人のメンタルヘルスに関する課題を、AIと会話して解決していくサービス。サポートAIの「ロク」とチャットで会話し、 CBT(認知行動療法)やACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)に基づいた簡易のカウンセリングやコーチング、雑談などができる。2020年12月に実装した新機能で、AIがケア方法をレクチャーし簡易のカウンセリングを施すデジタルプログラムの提供を開始した。また、大月研究室とは、「アプリ内でACTを活用した心理療法の研究を共同で進めている。今回の実験は、市原市の活性化・地域課題解決に向けたオープンイノベーションプログラム「いちミラ」に採択されたことによって実現したものだ。

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