クリーンプラネット、量子水素エネルギーの実用化へ新体制 世界最高峰のサイエンス×世界水準の経営

株式会社クリーンプラネットは2026年8月5日、独自に開発を進める次世代の熱エネルギー技術「量子水素エネルギー(Quantum Hydrogen Energy、QHe)」の実用化・産業化を加速するため、科学と経営の両面を強化する新たな体制を発足したと発表した。

同社は2012年に設立されたディープテック企業で、水素とニッケルや銅といった安価な金属を用い、CO2を排出せずに熱を生み出すQHeの開発に取り組んでいる。量子力学やナノ材料科学、熱力学などの知見を統合した技術で、主力となる小型熱モジュール「QHe IKAROS」は単体で24kWの熱出力を持ち、複数を接続することでメガワット規模の熱供給も見込む。同社はQHeを通じてエネルギーの選択肢を広げ、「火」の次の発明を届けることを目指すとしている。

今回発足した新体制では、科学顧問(Scientific Advisor)に、カリフォルニア大学バークレー校教授でバークレー・ラインウェバー理論物理学研究所所長の野村泰紀氏が就任した。量子重力や量子情報、素粒子物理学を専門とし、QHeの発熱メカニズムに関する理論的な理解を深め、その知見を材料設計やデバイス設計へ還元することで、高性能化と低コスト化を進める役割を担う。

最高戦略アドバイザー(Chief Strategy Advisor)には、Sansan株式会社の元取締役CFOで、ビジョナル株式会社執行役員を務める田中潤二氏が就いた。モルガン・スタンレーMUFG証券やカーライル・グループ、地域経済活性化支援機構などでの経験を生かし、事業戦略や資本戦略、グローバル展開、戦略的パートナーシップの構築を支援する。同社は7月にTANAKA貴金属グループから戦略投資を受け、貴金属材料技術での協業を進めており、今回の人事はこうした動きを事業と技術の両面から支えるものとなる。

QHeのような次世代エネルギー技術は、脱炭素社会の実現に向けた選択肢のひとつとして位置づけられる。同社は科学・技術・経営を一体化した体制を整えることで、基礎理論の深化から材料・デバイス開発、事業化までを一貫して進める構えだ。理論物理学と経営戦略の知見を取り込む今回の体制強化は、実証段階にある技術を産業として育てていくうえでの基盤づくりといえる。