UCC 日本初の水素焙煎機の特許出願、年内にテスト販売開始

UCC上島珈琲は2023年5月22日、現在実用化に向けて開発に取り組んでいる水素焙煎に関する発明について、協力企業のヒートエナジーテックと共同で特許出願を行ったことを発表した。コーヒーの焙煎プロセスの熱源には一般的に天然ガスが使用されているが、UCCはCO2を排出しない水素を熱源とする水素焙煎機と、水素供給システムの開発・実装を進めている。 

コーヒー特有の味覚や香りを引き出すため、微妙な火力コントロールを必要とするコーヒー焙煎において、水素焙煎は従来のガス焙煎に比べ、水素の取り扱いの難しさが課題の1つだったが、今回検証が進展し、特許出願に至った。特許の主な内容・特徴としては、「水素を燃料とするバーナーを搭載し、熱風発生時にCO2フリーを実現したこと」「従来熱源(都市ガスやLPG)と水素を任意の混合比率で使用できること」「水素100%焙煎、水素と従来熱源混合焙煎のいずれにおいても従来熱源を使用したコーヒーと同等の味覚を再現できること」の3つがあげられる。 

特許出願が順調に進展したことを受け、UCCは年内には販路を限定したテスト製造・販売をスタートする予定。同社は水素の熱源利用・カーボンニュートラルなコーヒー製造への挑戦を通じて、コーヒー産業のみならず、世界の食品産業の脱炭素化に貢献することを目指している。

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