AIにも偏見はあるのか？　AIの不都合な真実

人工知能の背後にあるシステムは、社会の認識や行動に悪影響を及ぼす可能性のある根深い偏見を明らかにしている。（※本記事は『Global Voices』に2025年4月3日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています）

AI（人工知能）は「中立的な技術」と捉えられがちだが、実際にはそうではない。AIもまた偏見を持ちうる。人々が思うような客観的なツールではない。なぜなら、AIは人間によって設計され、データセットを使って学習させられるものであり、それを作る人々は、本人が意識していなくても、何らかの信念や意見、経験を持っている。エンジニアや企業は、ある情報や目標を他よりも重視している可能性があり、どのようなデータをAIに与えるかによって、そのツール——たとえばアルゴリズムやチャットボット——が返す結果に偏りが生じる。そのため、AIは誤ったデータを出力したり、誤解を招く仮定を生成したり、人間と同様に判断ミスをすることもある。

AIは魔法ではない：人間が作る機械には人間の欠点が宿る

AIをまるで魔法のように語る人もいるが、人工知能とは本質的にはただの機械である。簡単に言えば、AIツールとは、大量のデータを与えられたうえで予測を行うよう設計されたコンピュータプログラムである。「AI」という言葉は、パターンの認識、問題の解決、人間よりも遥かに高速かつ大規模に意思決定を行うために設計された多様なツール群を指す。

しかし、他のあらゆるツールと同様、AIも人間によって設計・プログラムされている。開発者はAIに「これは実行せよ」「これはしてはならない」といったルールを与える。AIツールが、人間の価値観に影響を受けた制限を持つ自動化システムであるということを理解すれば、AIの能力と限界についてより自信を持って議論できるようになる。

人々が「AI」と言うとき、それが意味するものは実にさまざまである。以下に、特に広く普及しているAIツールと、それぞれが抱える課題をいくつか紹介する。