自動運転の建物内走行を実現へ、大成建設・ティアフォーなど4社が共同研究を開始

大成建設株式会社、株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン株式会社、日本信号株式会社の4社は、自動運転車両が建物内外をシームレスに走行するための技術の共同研究を開始した。各社が有する先進技術やノウハウを結集し、将来的な商品化・サービス化を目指す。

共同研究では、ティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を搭載した車両を用い、損害保険ジャパン株式会社本社ビルの地下駐車場を実証フィールドとして活用する。建物と自動運転システム、交通インフラを連携させ、安全かつ効率的な走行ソリューションの確立を目指す。2025年8月には同地下駐車場で先行走行実験を実施しており、自己位置推定の精度確保、狭隘路における走行制御、人や障害物の検知・回避といった具体的な技術課題をすでに把握している。本共同研究はこれらの課題解決に集中して取り組むものとなる。

研究の統括と建物設計・都市開発技術の提供を大成建設株式会社が担い、株式会社ティアフォーが自動運転車両およびシステムを提供する。損害保険ジャパン株式会社は実証実験フィールドの提供とリスク評価を担当し、日本信号株式会社が路車協調システム等を提供する。

自動運転技術の社会実装が国内外で加速するなか、日本の都心部では独自の課題がある。高層ビルの地下に設けられた駐車場や車寄せはGNSS(全地球航法衛星システム)の電波が届きにくく、車両が正確な自己位置を把握しにくい。狭い通路や柱、歩行者・他車両が混在する環境での安全走行にも高度な制御技術が求められており、公道と建物内を円滑につなぐ環境の整備は、自動運転サービスの普及に向けた重要な前提条件となっている。

4社は今後も損害保険ジャパン株式会社本社ビルでの走行実験を重ね、開発した技術・サービスの商品化を目指す。将来的にはオフィスビルや商業施設への導入にとどまらず、複数施設をつなぐエリア、さらにはスマートシティ全体への展開を構想している。自動運転車両が屋外から建物内まで安全に走行できるようになれば、乗降や駐車を含む移動体験の質が大きく変わる。異なる専門領域を持つ4社の連携が、実用化に向けた課題解決を加速させることが期待される。