サントリーHD、茶粕を活用したピートモス代替資材「Teamoss」を開発 2027年に国内販売へ

サントリーホールディングス株式会社とサントリーフラワーズ株式会社は、グループの清涼飲料工場から発生する緑茶粕などの製造残渣を主原料とした園芸用土壌資材「Teamoss(ティーモス)」を開発した。環境負荷の高いピートモスを代替するアップサイクル型の資材として特許を出願しており、2027年の国内本格販売を目指す。

ピートモスはコケ類が長期間にわたり堆積・腐植化した泥炭を乾燥させた資材で、高い保水性・保肥性から園芸分野の用土として広く使われてきた。しかし採取・採掘の過程で土壌に固定されていたCO2が放出されるほか、湿地環境の破壊につながるとされ、欧州を中心に採掘・販売規制が進んでいる。代替資材の開発が業界全体の急務となっている。一方、国内で年間排出される産業廃棄物のうち、食品ロスや農業由来の廃棄物は約5分の1を占めるが、その多くが焼却・埋立処理されており、資源循環の観点からも課題となっている。Teamossは、こうした背景のなかで開発された。

Teamossは、清涼飲料の製造工程で発生する緑茶粕を主原料に、木くずなどの副資材を組み合わせた独自製法(特許出願済み)で製造される。サントリーフラワーズが花苗・野菜苗を用いた実証実験では、同一条件下でピートモス使用時と同等またはそれ以上の生育が確認されている。製造残渣が原料であるため国内で安定調達が可能で、コスト競争力も十分に見込めるとしている。

持続可能な農業・土壌改善に関するサントリーHDの方針のもと、花苗・野菜苗の企画・開発を手がけるサントリーフラワーズが主体となって製品化を推進している。今後は量産化に向けた製造体制の構築と、より幅広い花苗・野菜苗を対象とした栽培試験を重ね、2027年の本格製造・販売開始を目指す。また、緑茶粕にとどまらず、グループのサプライチェーン全体で発生する他の製造残渣についてもTeamossの原料としての活用を検討する。各国の環境規制強化・脱炭素の流れを踏まえ、海外展開も視野に入れている。

サントリーHDはTeamoss以外にも、英国での大麦・タイでのサトウキビでの再生農法栽培、バイオ炭やミミズを活用した土壌改良など、農業分野でのGHG削減に向けた取り組みを幅広く進めている。

ピートモス代替資材の市場は、欧州の規制強化を皮切りに世界規模で拡大が見込まれる。食品メーカーが自社の製造残渣を出発点に園芸資材を開発するモデルは、廃棄物の削減と農業資材の脱炭素を結びつけるサーキュラーエコノミーの実践例として注目される。